タイヤ交換帰省で700kmあまりの距離を走破した翌日,洗車していたときのことです。左前輪のサイドウォールに不気味な膨らみをみつけてしまいました。小さいとはいえ,いわゆる「ピンチカット」(こちらに説明があります)と思われますので急遽タイヤを交換することにしました。
この時点でのこのタイヤセットの走行距離は約2.1万kmです。残溝はもっとも浅い外側で4.4mm,逆にもっとも深い内側で4.9mmでした。ローテーションの効果もあって4輪ともほぼ均等に減っています。新品時の溝は8.3mmですから「5分山」の状態で,残りの3本はまだまだ使えるのですが,1本あるいは2本だけ交換しても中途半端になりそうなので結局すべて交換することにしました。
もっとも,これまでの磨耗状況とこれからの使用状況を考えると,12月頃には交換時期(残溝2mm程度)を迎えることがわかっています。5分山のタイヤを換えると考えれば少々もったいないのですが,交換時期が3ヶ月ちょっと早まっただけだと考えて納得しました。
交換後,あらためてスペアタイヤをじっくり見てみました。もともと装着されていた4本は2002年25週製造の南アフリカ製でしたが,スペアタイヤは2003年16週製造のドイツ製でした。車自体はスペアタイヤと同じ頃に製造されたことがわかっています。
サイドウォールをじっくり見てみると,内周側から外周側にかけて溝状のへこみがあることがわかります(右写真円内,「GOOD」の2つ目のOあたり)。なんだか不気味ですが,これは「バルジデント」といってタイヤの構造に起因する無害なもののようです。内部構造物のつなぎ目にあたる部分か,あるいは加硫して成型する際の金型の合わせ目にあたる部分なのかもしれません。
タイヤの状態を慮ってUターンは80〜90km/hをキープしてのんびりと走ったところ,燃費に思わぬ好影響をもたらしました。燃費計の17.6km/lという数値はこれまでの最高記録です(最高値は17.7km/lを示しましたが,走行中だったので撮影していません)。満タンでスタートした燃料もまだ半分近く残っています。このペースなら無給油で1,000km走行も不可能ではないようです。
さて,帰宅してすぐにディーラーと連絡を取り,後継タイヤの選定に入りました。コンチネンタルのプレミアムコンタクト,ブリヂストンのレグノGR8000,ダンロップのビューロVE301,ピレリのP6,そしてミシュランのパイロットプライマシー,エナジーMXV8あたりを候補にしていましたが,結局パイロットプライマシーにしました。タイヤはやっぱりミシュラン,それもパイロットが一番……だからというわけではなく,決め手は価格だったりします。ディーラーの担当サービス氏にご尽力いただいたおかげで,予算を大幅に下回る価格で交換できました。
安かったといっても仕事はばっちりです。定石どおりバルブも交換してあります。製造週も4本とも2004年18週で同じです。また,このサイズのプライマシーはフランス本国製でした。メーカー本国で製造されたタイヤを装着したのはこれがはじめてだと思います。
いまのところ100km程度をのんびりと走っただけなので,標準装着タイヤとの違いはあまり感じられません。同サイズで,あまりランクの違わない(と思われる)タイヤを選んだためかもしれませんが,ブランドよりも磨耗状態や空気圧の方がはるかに影響が大きいような気がしています。ということは,値段で選んで正解だったのかもしれません。
マイナーチェンジ2月ごろドイツ本国ではCクラスの大規模なマイナーチェンジが発表されました。遅かれ早かれ日本仕様も同様の変更が実施されると予想されていたわけですが,6月28日に新モデルの正式発表がおこなわれました。その週末に内覧会(既所有者向け),翌週末に発表会(一般向け)がありましたので,変更点をじっくり調べてみることにしました。ちなみに,「内覧会」といっても特別なことはまったくありません。
黒(オブシディアンブラック)が新しく追加されたC230コンプレッサーアバンギャルド(以下C230K)で,銀(ブリリアントシルバー)の方がC180コンプレッサー(以下C180K)です。今回の「目玉」はおそらくC230Kで,191ps/26.5kgmまでチューンされたM271エンジンを搭載し,Cクラス初のアバンギャルド仕様でまとめられています。最近のこのクラスのトレンドに乗った,実に旨いところをついたモデルというのが第一印象でした。一方,C180Kの方はメカニズムに大きな変更は無いものの,C200K以上との外観の差が縮まり,さらにアルミホイール+本革巻ハンドル+シフトノブの「パッケージオプション」が設定されずいぶんお得感が増しました。なお,今回C230KとC55AMGが追加された代わりにC320とC32AMGが廃止されています。今回はとりあえず,C55AMG以外のモデルを取り上げます。また,残念ながらワゴンの展示はありませんでしたので,セダンを中心に見ていきます。
C180K同士で外観の違いを比べてみます。「クリア感」が増したというのが全体的な印象で,ドアミラーウインカー(1)とヘッドランプのレンズ(2)が目に付きます。C230Kのみバイキセノンランプが標準ですが,こちらの方はこれまでと変化がありません。また,C180KのグリルがC200K,C240と共通になりました(3)。グリルのデザイン自体も横方向のバーの数が4本から3本に変更されています。C230のグリルも3本バーですが,中が黒に塗られている点が異なります。あと,バンパー下部の空気取り入れ口のデザインも変わりました(4)。横のラインが目立ちますね。
その他に目に付いた変化としては,リアウィンドウ上のアンテナがあります。これまでのCクラスではアンテナがすべてプリントタイプですっきりしていたのですが,普通の車のようになってしまいました。
タイヤサイズも変更されました。C180Kも16インチ(205/55R16)が標準となり,15インチ装着モデルは消滅しました。また,C230Kは前後異サイズ(前205/55R16,後225/50R16)になっています。展示車のタイヤ銘柄はC180Kがコンチネンタルスポーツコンタクト,C230Kがブリジストンのトゥランザでした。なお,後輪ブレーキキャリパーは03モデルと同じアーテ製になっていました。
ボンネットを開けてみました。とりあえず気がついたのが,ラジエターリザーブタンクについていた部品がなくなったこと(5)と,パワステオイルクーラーの材質・形状が変更されたこと(6)です。(5)については真ん中の03モデルの写真と比べてもらうと変化がわかりやすいと思います。この部品の機能はよくわからないので,この変化が何を意味しているのかはわかりません。カタログによるとヒーテッドウィンドウォッシャーが廃止されていますが,それとは関係はなさそうな感じです。
C180K,C200KそしてC230Kともエンジン形式はM271(DOHC4気筒,1,795cc)で同一ですが,C230Kだけは排気マニホールドが1-4と2-3に分離したタイプになっています(右中写真)。排気干渉を極力避けようとのことだと思われますが,さすがリッターあたり100psを超えているだけはあります。なお,C230Kのタイヤ空気圧指定には210km/h以上のレンジがあります(右写真)。
さて,外観を一通り見てきましたが,注目すべきはむしろ内装の方でしょう。メーターパネル,センターコンソールといった操作系の中核をなす部分のデザインが大きく変更されました(左から2番目,写真はC230K)。とりあえずセンターコンソールをみてみると,スイッチ,オーディオ,エアコンのいずれもデザインが変わりました。個人的には,無理やり見た目をそろえようとしていた初期モデルよりも落ち着きが増したように思っています。オーディオについてはCDが標準となり全モデル2DINサイズになりました。C240のみナビが標準です。
若干残念なのは空調面です。エアコンは一応「クライメートコントロール」のままですが,1ランク安物簡素化されたものになりました。左右温度調整は独立して可能ですが,風向調整は独立してできなくなってしまいました。その結果,運転席では上部から冷風を吹き出したまま助手席では足元に温度の高い風を送る,といったことがこれまでのクライメートコントロールでは簡単にできていたのですが,そういった細かい調整が不可能になってしまいました。これが可能なエアコンは同クラスでは見あたらず「さすがはベンツだ」と個人的に感心していたのですが,「並」になってしまいました。
また,チャコールフィルターも省略されています。トンネル内や大型車の直後でも外気導入を維持したまま走行できる便利な機能だったのですが,これも「並」になってしまいました。さらに,上部吹き出し口の「冷風・外気送風ダイヤル」も廃止されました(左中写真の(7))。これらの機能は説明書をきちんと読まないと使いこなせないので,変更されても気がつかない人も多いかもしれません。そういう意味では「上手」にコストダウンしてるなと感心できなくもありません。
メーターパネルも大きく変わりました。ここ20年ほどのベンツ各モデルで,モデル途中にメーターのデザインが大きく変化した例というのは記憶にありません。中央に巨大なスピードメーターを置いた3眼式から,「どこかでみたことのある」ような4眼式に変更されました。同時に,インフォメーションディスプレイの位置が変更され,文字色もオレンジから白に変更されました。
シフトレバー周辺も変わりました。シフトレバー直後の開口部面積が小さくなり(左),押し出されたライターは灰皿の横に移動しています(中)。Eクラスと共通の配置ですね(右)。そして,ついにというべきか,カップホルダーは廃止されてしまいました。
装備面では自動防眩ルームミラー&ドアミラーが前車標準になりました(左)。また,センターコンソールボックス内に携帯電話取り付けスペースが設けられました(左中)。これまでよりはよくなったと思いますが,コンソール内部で電話を固定することはできません。なお,蓋は左右どちらからでも開くようになっています。細かい点では,C180Kのシートスライドレバーの「取っ手」が四角い吊り輪型からノブ型に変わっています(右中)。最後に,トランクスルーはAMGのみの設定になりました(右,写真はC230K)。
今回のマイナーチェンジはなかなか評価が難しいと思います。価格が引き下げられ,目に付く部分の装備充実が図られたという点では大いに評価できます。C230K追加などはまさに市場のニーズをうまく捉えて(というか,あわててトレンドを追いかけている?)いるものと思われ,販売面でもよい成果が期待できるのではないでしょうか。また,C180Kの内容充実も見逃せないポイントです。
しかし,エアコンの機能削減やメタリックペイントの有償化といった面で日本市場におけるベンツの独自性が薄れ,「並」の外車にさらに近づいてきたという側面は見過ごせません。ここ10年弱の方向転換で失ったものからすればはるかに小さいのかもしれませんが,いよいよ最後の砦までも崩れ始めたか,というのが正直な感想です。
燃費レポート(その3)3回目の燃費レポートをお届けします。前回報告からだいぶ間が空いてしまいましたので,5か月分のデータをまとめて掲載しておきます。
累積走行距離は約10,000km増加して22,000kmになりました。給油回数は113回,給油量は約2464lで,総平均燃費は9.0km/lとなります。今回報告分に限ると平均燃費は9.1km/lとなります。各回の平均燃費は水色であらわしています。
今回も連続高速走行時(給油回数71回と81回あたり)の好燃費が全体を引き上げていますが,全体の傾向にはほとんど変化が見られないといってよいと思います。103回あたりに10km/lを超えている部分がありますが,これは通勤時の高速道路区間で通常よりも速度を抑えて走行したという一時的な要因が影響したものと思われます。
タイヤ交換やオイル交換といった燃費に影響を与えると思われる要因をグラフに書き込んでみましたが,それに起因する燃費の傾向的変化はほとんどないと結論付けてよいように思われます。前回報告時にみられた上昇傾向も今回はみられなくなり(結局,高速走行時の値が全体を引き上げていたということでしょう),全体を通じてほぼ一定の値に落ち着いてきたようです。