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C180TK Info --2005年7月〜9月

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これまでの不具合

C180TKも購入から2年2ヶ月が経過し,走行距離も5万kmが目前になってきました。車の状態も安定期に入ってきたようですので,このあたりでこれまでに起きた不具合についてまとめておこうと思います。

前車のwebサイトでも述べたように,本サイト作者は車の不具合情報の公開には慎重な態度をとっています。ネット上で流れる多くの「トラブル」情報が,実際は走行にほとんど影響しないものであると思われるにもかかわらず,車の信頼性を否定するものとして一人歩きすることが多いからです。車も工業製品である以上,製品の出来ぐあいにはある程度の当たりはずれがあるのはやむを得ないわけで,個々の車に起きた不具合でそのブランド全体の評価を決めつけてしまうようなことは避けなければならないでしょう。これから公開する不具合も走行に重大な影響を与えたものはありませんので,情報をどう利用するかは利用者の皆様の良識にお任せしたいと思います。

不具合:シフトノブの飾りパーツに浮きがある

納車時に気が付きました。飾りパーツが浮いていて指がひっかかる時がありました。パーツの端が鋭いのでケガをする可能性もあると思って対応を要請したところ,シフトノブごと交換となりました(飾りパーツのみの供給はないらしい)。残念ながら,交換されたシフトノブも若干の浮きがみられたのですが,これ以上交換を繰り返してもあまり改善は期待できないことから,注意して使い続けることにしました。

不具合:車庫入れ中にESPランプが点灯

納車後2週間くらいで発生しました。バックで車庫入れをしている途中,ESPランプが点灯しました。一度エンジンを止めて再始動したら消灯したので,サービスに確認後,問題なしということで特に対策はしていません。ターンテーブル等で車両が回転した際にESPランプが点灯することがある旨は説明書に記載がありますが,普通にバックして点灯したのはちょっと不思議でした。

不具合:グローブボックス内ランプが点灯しない

上と同じ頃に気が付きました。グローブボックスを開けても内部の照明が点灯しないことがあるのですが,再現性があまりなく対応に困りました。とりあえず,フタのしまり具合を調整してもらって様子見としました。それ以来点灯しなくて困ったという経験がないので,治ったのだと思っています。

不具合:運転席ドアピラーのカバー剥がれ

納車後2ヶ月くらいで発生しました。ドアを閉めるときにはピラー部分を押すことが多いのですが,あるとき,力を入れると「ズリッ」と横にずれることに気が付きました。サービスに問い合わせてみたところ,カバーを固定している両面テープが剥がれていたとのことで,部品ごと交換となりました。ここは両面テープのみの固定ということで,交換以後はできるだけ手を触れないようにしています。

不具合:リアウィンドウのフィルムにすり傷

納車後3ヶ月くらいで気が付きました。納車時にリアウィンドウにフィルムを張ってもらっているのですが,ウィンドウ昇降によると思われる縦方向のスジのような傷が入っていました。サービスに問い合わせてみたところ,ウェザーストリップに起因する構造的なもので,Cクラス全般に発生している症状とのことでした。ちょうど別のCクラスが入庫していたので確認させてもらったのですが,確かにリアウィンドウの内側はすり傷だらけでした。ガラスそのものには影響がないことやフィルム自体は張り直しが可能なことなどを考慮して,特に対応はしないことにしました。

不具合:フロントウィンドウセンサー部に虫の死骸

以前報告したものです。納車後3ヶ月くらいで気が付きました。フロントウィンドウ中央上部のセンサー部に虫の死骸が入っているのに気が付きました。サービスに問い合わせ,隙間からエアスプレーをかけて吹き飛ばしてもらいました。

不具合:カップホルダーボタン部分のメッキ剥がれ

納車後5ヶ月くらいで発生しました。カップホルダーはボタンを押すとせり上がってくるしくみになっています。このボタンのメッキがメリメリと剥がれてしまいました。サービスに問い合わせ,ホルダーまるごと交換で対応です。

不具合:オイル補充警告の表示

納車後5ヶ月少々,約9,900km走行時点で発生しました。「オイルレベルを最大にするために,オイルを補充してください」という意味の表示がディスプレイに表示されました。補充量は確か1リットル位を要求していたと思います。しばらく様子を見ていたところ,表示されたりされなかったりしたのでサービスに故障かどうか問い合わせてみました。サービスの見解ではとくにオイルレベルに異常はないとのことで,そのまま乗り続けることにしました。以来,現在まで同様の警告は表示されていません。

不具合:1気筒が点火しない

納車後9ヶ月くらい,約18,000km走行時点で発生しました。いままでに起きた不具合のなかでは最も深刻度が高いといえるかもしれません。自動車専用道路を80km/h位で走行中,メータパネル内のESP警告灯が突然点灯しました。その時点ではとくに変化がなかったのですが,非常駐車帯に車を止めたところエンジンがガクガクと大きく振動しました。一度エンジンを止めて再始動したところ警告灯は消灯,エンジンはスムーズに回り始め,ボンネットを開けてみても目に見える異常は発生していません。

トラブルが発生したのは出勤途中で,帰り道におそるおそる動かしながらサービスに直行しました。調査の結果,No.1シリンダーに異常が記録されていました。原因までは突き止められなかったため,とりあえず当該シリンダーのプラグを別の正常なシリンダーのプラグと取り替えて様子を見ることにしました。

その後約1ヶ月半,約20,000km走行時点でこのトラブルが再発しました。今度も警告灯が点灯したので直ちに安全な場所に車を止めましたが,振動は発生しません。ただ,再始動しても警告灯は点灯したままでした。今回は帰宅中だったのでそのままサービスに直行です。調査の結果,前回同様No.1シリンダーの異常が記録されていました。とりあえずプラグが原因ではなかったことがハッキリしたわけで,深刻なトラブルの予感を感じさせます。次の一手として,「ラフ検知」といわれるセンサーの感度を変更することで対応することになりました。このセンサーはピストンの振動を検知していて,一定以上になると自動的に燃料をカットするというものです。とりあえず,センサーの感度をやや落としてみることで不必要な動作を抑制しようという発想です。また,ついでにプラグを4本とも交換してもらいました。

三度発生すればヘッド周りをばらして調べることが必要とのことでちょっと心配になりましたが,幸いにしてそれ以後現在まで発生の気配はありません。

不具合:ガソリンが入らない

納車後ほぼ1年のことです。いつものセルフスタンドで給油しようとしたところ,すぐにオートストップが作動してガソリンが入ってくれません。そうこうしているうちに給油機の制限時間になってしまいました。外国車の場合状況によっては入りにくいことがあるというのはよく聞きますが,どうして今になって自分の車がそうなってしまったのかはよくわかりません。それ以後は同じようなことが起きていないのでなおさら不思議です。

不具合:テールゲートが開かない

納車後1年4ヶ月くらいで発生しました。ある意味では非常に深刻なトラブルともいえます。外側のハンドルを操作してもテールゲートが開かなくなりました。Cワゴンではドアハンドル以外に外側からゲートを開ける手段がないので非常に不便です。それ以前からハンドル操作とロック解除の間にタイムラグがあるのに気が付いていたのですが,そのままにしていたらまったく開かなくなってしまいました。サービスに問い合わせたところ,比較的発生しているトラブルのようで,スイッチの構造に若干の問題があるとのことでした。対処法も確立しているようで,スイッチの調整で発生しなくなりました。

不具合:ATオイルパンからのATF漏れ

2回目の1年点検(いわゆる「メンテナンスB」)の時に報告した不具合です。そろそろ3回目の1年点検になりますので,そのときに詳しく点検してもらおうと思っています。

不具合:ダイヤフラムストロークセンサー接触不良

納車後ちょうど2年,約45,000km走行時点で発生しました。朝一番でキースイッチをONにしたところ,「ESPシュウリヒツヨウ」「BASシュウリヒツヨウ」「コショウガ2」といきなり表示されました。場所が場所なので不安だったのですが,再始動したら表示が消えたため,とりあえず出勤して帰りにサービスに直行しました。その間にブレーキ関係の異常はまったく感じられませんでしたが,調査の結果,ブレーキペダルのストロークを検知する「ダイヤフラムストロークセンサー」のコネクターに接触異常がありそれが故障として検知されたとのことでした。今回は接点清掃で様子見です。


試乗備忘録(その5)

ここ数ヶ月自動車業界を賑わせている話題のひとつに,トヨタ自動車による
レクサス販売店網の日本「逆上陸」があります。レクサスは北米で大成功を収め,現地においては高級ブランドとして認知されています。これまで日本展開には慎重な姿勢を取ってきたのですが,数年弱の準備期間を経て,8月30日にいよいよ本格開業となりました。

ブランドとしてのレクサスについてはこれまでにも様々なテクストが発表されていますし,このたびの日本「逆上陸」についてもたくさんの情報が多くの媒体で発信されています。概説的なことはそれらに任せるとして,本サイトでは1ユーザーの視点から見た「レクサス」の印象をまとめておこうと思います。

レクサスを取り上げることにしたのは,セルシオやクラウンといった最新上級トヨタ車の出来に作者がある程度の評価を与えており,その延長線上にある(はずの)レクサス各車にも期待を抱いていたことが大きな理由の一つです。ただ,実際に行動を起こすきっかけとなったのは,自宅のすぐ近くに開店した店があったことでした。訪れた店舗は自宅から車で約15分,距離にして7km弱のところにあります。報道等を見ると,首都圏のレクサス各店は高級車販売の激戦区に「殴り込み」を掛ける形で出店しているように見えますが,この店舗はどちらかといえば住宅街といえる地域の中にあります(左)。数百メートル離れたところにアウディの販売店(ヤナセ系)がありますが,その他に輸入車の販売店はありません。なんでこんなところにつくったんだろうと疑問に思いましたが,実はここは高速道路のインターチェンジのすぐ近くでもあり,高速道路沿線地域を商圏として想定しているという話を聞いて納得しました。なるほど,確かに沿線には大都市や比較的高額所得者の多い地域が点在しています。

このレクサス店には2度訪れています。最初は8月30日の全国一斉開店日で,このときには試乗ができなかったため,約2週間後にもう一度出かけました。1回目は開業初日ということもあって比較的華やかで賑やかな雰囲気でしたが(左中,中,右中),2回目は普通の高級車ディーラーという感じに戻っていました(右)。セールス氏の話でも平日はこんなものということです。

1回目の時は試乗はできませんでしたが,セールス氏に店内をくまなく案内してもらいました。この店舗もレクサス店の標準的な造りになっています。展示車の横には商談スペースがあり,その奥には別にくつろげるスペースが用意されています。そして,さらに奥には別途区切られた商談スペースとオーナーのためのスペースが用意されています。オーナースペースからは,通路で車両の引渡場所と車両工場につながっています。1回目に訪れた時はさすがに工場はまっさらで,光り輝く床と検査機器が印象的でした。2回目の時はすでに稼働中で,納車整備中のGSが並んでいました。

店舗の造りだけでなく,調度品の豪華さもかなり話題に上っています。このレクサス店でも商談スペース用の椅子はすべてウィルクハーン社「モダス」の最上級品で統一されていました。商談は基本的に液晶ディスプレイを見ながらすすめられます(このディスプレイもナナオ製)。内外装色の組み合わせくらいは予想していましたが,ディーラーオプションまでこの画面で選択するとは思っていませんでした。

さて,そろそろ車の方を見てみましょう。現在レクサス店で販売されているのはGS,SCの2車種で,9月末にISが追加される予定になっています。GSはこれまでのアリスト,SCはソアラ,ISはアルテッツアに対応します。SCはどちらかといえば特別車という位置づけなので,現在の主力は事実上GSのみということになります。作者自身もGSに一番の関心を持っていますので,今回はGSについて報告したいと思います。

GSは430と350の2グレードで,350はFRの他に4WDが用意されます。価格は430が630万円(税込,以下同じ)で350のFRが520万円,4WDが560万円となっています。上の写真はGS350で,この店舗の試乗車として用意されているものです。価格については見方によって評価がわかれるでしょう。アリスト後継と考えるとずいぶん高くなったように思いますが,GS350がE350(808.5万円)や530i(718万円)と同等のサイズ・動力性能と考えればずいぶんお得なようにも思えます。

価格設定の意図など知る由もありませんが,個人的にはエントリーグレードの520万円というのは結構いい線をついているのではないかと思っています。というのは,ベンツCクラスやBMW3シリーズ,アウディA4というDセグメント「ドイツ御三家」のエントリーグレードはほぼ400万円弱ですが,その上のEセグメントは560〜680万円から始まっています。つまり,DセグとEセグのエントリーグレードの間には200〜300万円近くの差が開いており,520万円というGS350の価格は両セグメントの中間にぴったり収まっているのです。このことは,「いきなりプラス200万円は無理でも(もちろん300万円は論外),100万円くらいならなんとかなるのでちょっと試してみようか」という層を取り込む可能性が出てきたということを意味します。そうなると,輸入車との「対決」ではなく「共存」を図れることにもなります。もちろん,この予想が現実化するには(1)GSの出来が「ドイツ御三家」と少なくとも同等程度であること(2)GSの下取り価格が高水準で維持されること(たとえば,Cクラス→GS→Eクラスという乗り換えプランを描くことが可能となり,ブランド移行の障壁が小さくなる)(3)レクサス店が顧客に提供する環境が輸入車購入層にある程度の満足感を与えられること,などといった条件が必要になると思われます。

上記3条件のうち,(3)についてはまずまずの滑り出しを見せているのではないかと思います。(2)についても,人気がある程度の水準にあること,レクサスが定価販売(値引きなし)を掲げていることなどを考えると,大きく崩れる可能性は小さいと考えられます。となると,気になるのは(1)ということになります。ドイツ御三家と同等と言わないまでも,「この値段なら仕方がないか」と納得できる程度の出来にはなっていなければなりません。もちろん,「この値段でこんなに良くできてるのか」と思わせることができればそれに越したことはないわけです。

ドアを開けて乗り込んでみます。まず気が付くのはAピラーが寝ていることと屋根の低さです。ポジションを合わせて前方をみても,フロントウィンドウが倒れ込んでいて決して快適な環境とはいえません。

GS350E350530iA6/3.2CLS350
(1)全長(mm)4,8304,8204,8554,9154,915
(2)全高(mm)1,4251,4501,4701,4551,405
(3)最低地上高(mm)140155140
(4)税込価格(万円)520808.5718700850.5
(5):(2)/(1)0.2950.3000.3020.2960.286
(6):(2)-(3)1,2851,2951,265

上表で比較してみると,同等クラスの輸入車よりもGS350は高さ方向の居住性に劣るであろうことが予測されます。(5)を比較すると,最も優れているのが530i,最も劣るのがGS350で,上位2車と下位2車との間には大きな格差があり,これは作者が実際に乗ってみた印象と一致します。流麗なスタイリングのために居住性を犠牲にしていることがはっきり分かりますね。ちなみに,見た目重視の代表例としてCLS350の数値を載せていますが,「劣悪」とでも表すべき居住性が数値にもよくあらわれています。

メーターは常に照明されている方式で,文字盤がヘアライン入りのアルミであることと相まって,かなり派手な印象です。個人的にはここまでやらなくても……と思いますが,このあたりは好みの問題でしょう。表示そのものはオーソドックスで,視認性にも問題はありません。

後席についても,ヘッドレストは完備されているものの頭上周りに余裕はなく,身長173cmの作者が深く腰掛けた姿勢を取ると,髪の毛が天井に当たってしまいます。ちょっと「セダン」としてはどうかな……という感じですね。天井が低いおかげでアシストグリップの存在が目立つことに配慮したのか,すべてのグリップは革巻きとされています。なお,この写真はノーマルルーフ車ですが,サンルーフ装着車はさらに天井が窮屈になります。選択される際は十分な検討が必要になると思います。

ドアヒンジやウェザーストリップはこのクラスの標準的な造りで,さすがに入念にシーリングされています。また,トランクのヒンジは荷室に出っ張らない構造です。給油口の周りもプラスチックでしっかりガードされています。

各ガラスには「LEXUS」とマーキングされており,トヨタの文字は一見したところみあたりません。ちなみに,車検証上の車名も「レクサス」です。助手席ドアを開けるとBピラー根元にコーションプレートが装着されており,この車がトヨタ製であることがようやくわかります。GS350の形式名は「GRS191」なのでトヨタの命名法に従うとGSは「S190系」ということになり,現行クラウン(S180系)の兄弟分として位置づけられていることもわかります。なお,ボンネットを開けるともう一カ所「トヨタ」の文字があるところを見つけました。ここまでやるんなら,油脂類くらい「レクサス」ブランドのものを用意してもよかったと思いますが。

上の写真にワイパーが写っています。一見したところ近年の欧州車で標準的となっているフラットブレードタイプのように見えますが,実は通常のトーナメント式のブレードにカバーをつけたものです。フラットブレードについては鳴きの問題がよく指摘されますので,トヨタは現状では採用を避けたのかもしれません。

最近のトヨタの傾向に則ったエンジンルーム。極力露出部分を少なくしようという造りです。エンジンカバーは相当薄くできています。

いよいよ試乗してみます。市街地走行のほか,今回は高速道路をかなりの距離走ることができました。これなら予約制をとっているのも納得です。様々な路面状況と速度域で試すことができましたが,全般的に見てベンツE・BMW5(アウディA6は乗ったことがない)と遜色はないというのが作者の印象です。どちらかというとBMW的な乗り味を目指しているような感じで,ベンツのように速度が上がるにつれて沈み込んでいくような安定性は感じられませんでした。まあ,これもかなりスピードの高い領域の話です。市街地をのんびり流しているときは,アクティブステアリングという余計なもののついているBMWよりはずっと素直に走れます。

GSの評価基準について,「この値段なら仕方がないか」と「この値段でこんなに良くできてるのか」という尺度を前に上げましたが,試乗の印象は後者にずっと近いものでした。内外装の仕上げの良さというこれまでのトヨタの美点を維持しつつ,走りについてもかなりのレベルまで引き上げてきたというのが正直な感想です。先入観を捨てて見ることができれば,全体的にかなりの水準にあるといってもいいのではないでしょうか。

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試乗備忘録(その4)

今回はBMW5シリーズ編です。2004年の現行モデル登場以来実車を見たり試乗したりしたことはあったのですが,まとめる機会を逃していました。去る7月に,6気筒エンジンの一新をはじめとする大規模な変更がおこなわれたので,このあたりで5シリーズについてわかったことを報告しておこうと思います。

5シリーズはセダン3車種(525i,530i,545i)とワゴン2車種(525iツーリング,530iツーリング)で構成されています。今回は主に525iツーリングを取り上げます。車両本体価格は646万円(税込)で,展示車にはHi-Lineパッケージと(32.2万円)と電動ガラスサンルーフが装着されていました。Hi-Lineパッケージには本革シートやウッドパネルなどが含まれますので,室内がぐっと豪華な感じになります。

BMWワゴンの定石どおり,5シリーズワゴンもリアウィンドウとテールゲートが独立して開閉します。リアウィンドウとテールゲートのいずれを開けた場合でも,それに連動してトノカバーが上方にスライドするようになっています(左写真の矢印)。これはバネの力で引き上げられているだけなので,閉めるときは手で押し下げなくてはなりません。テールゲート側の開口部にはランプがついていて,ゲートが開いていることを周囲にアピールできるようになっています(中写真)。また,ゲート支持用ダンパーのピストン部分にはカバーもついています(右写真の矢印)。高級車らしい心配りですね。

ボディサイズを考えると荷室は特に広い感じはしませんが,床面には出っ張りがなく,かなり使いやすいのではないかと思います(左)。荷室の床を引き上げると,仕切り板のついた収納スペースが現れます(中)。床,つまりフタにはダンパーがついていて,しっかりした造りであるにもかかわらず軽い力で開けることができます。この手のフタを開けるには結構力が入りますから,こういう心遣いはありがたいところです。さらに,この収納スペースの下にも結構深さのあるスペースが用意されています(右)。ランフラット装着で不必要になったスペアタイヤがあった場所ですね。

左が荷室容積を最大にした状態です。リアシートはダブルフォールディング式ではありませんが,床はまずまず平坦にはなります。トノカバー+荷室ネットは車体側についていますので,リアシートを倒しても荷室の真ん中に残ってしまいます。リアシートの後側に取り付けスペースがついていて(中,灰矢印),そこにトノカバーを装着してネットも前席直後に張ることはできますが,この点はシートバックに直接取り付けられているCクラスの方が使い勝手は上ですね。なお,前席シートバックの後ろがかなり大きく抉られていて,後席の足元周りのスペースを稼いでいる点は注意しておいてもよいでしょう(中,黄矢印)。後席シートバック中央のアームレスト部分は貫通構造になっていて,ここにスキーを差し込んで入れておくためのバッグが装備されています(右,矢印)。また,バッグのついている部分を丸ごと取り外すこともできます。

後席に座ってみます。シートバックは最近では立ち気味の部類に入ると思います。全高を高めにとっている基本プロポーションとあいまって,背筋を伸ばした気持ちよい姿勢で座ることができます。頭上空間にも余裕があります。最近の欧州車にしては珍しいことで,ベンツのEクラスやアウディA6よりもずっと優れています。シートベルトはシートバックから引き出すタイプです。また,荷室中央部の天井にかなり大きな出っ張りがあるのですが,これが何かはわかりません(左,矢印)。センターコンソールの後端には後席用吹き出し口とアクセサリー電源用ソケット(右,矢印,カバーは撮影のために外しています)があります。アクセサリーソケットはこのほか荷室にも装備されており,かなり充実したものとなっています。

今度は運転席です。ちょっとびっくりしたのですが,シートベルトアンカーの上下調整機能が装備されていません。それに変わるような機構もみあたらないため,体型によってはシートベルトを適正に装着できない可能性が出てきます(左,矢印)。シートベルトの正しい装着は受動安全の基本中の基本で,以前BMWドライバートレーニングでも強調された覚えがあるのですが,こういうところを省略するというのは一体何を考えているんでしょうか。隣に新型3シリーズが展示してあったので,こちらも確認してみたところ同様に省略されていました。正直言って,BMWの安全意識を疑います。ドライビングポジション自体は,ややアップライト気味の気持ちのよい姿勢を取ることが可能です。以前,Cクラスの試乗記で指摘したハンドルのオフセットですが,5シリーズでも同様にハンドルが左にオフセットしています(中)。まあ,Cクラスで慣れてしまったせいか,あまり違和感は感じませんでしたが……また,BMWの場合,重量配分の関係からパワートレーンが室内に大きく食い込んでおり,小さめの車の場合は足下が圧迫されることがありますが,5シリーズくらいのサイズになるとあまり影響は感じられませんでした(右)。足を置いている部分にはフットレストが装備されています。

さすがにこのクラスになると装備に不満はありません。内装のデザインもすっきりしていて,木目パネルが高級感をうまく醸し出しています(左)。ただ,スイッチ類の操作感はそれほど上等な感じは受けませんでした。どのスイッチも「パコパコ」「カサカサ」といった感触で,重量感や精度感の感じられない動きをします。このあたりは,ドイツ車だとアウディが頭抜けていると思いますね。ETCも標準装備で,最近のBMWの定石通りルームミラーに内蔵されています(右,矢印)。

ドアのヒンジやストッパーはクラスの平均的な造りです(左)。ウェザーストリップもボディ側1重+ドア側2重の計3重構造で,やはりクラスに見合った造りになっています(中)。空気圧の指定は後輪がやや高めになっているように思います(右)。ランフラットタイヤであることが影響しているのかと思いましたが,前輪はCクラスと同じですし……。

ホイールハウスをのぞいてみると,Cクラスのようなフェルト貼り付け処理がなされています(左,右とも黄矢印)。ただし,Cクラスのようにホイールハウス全面ではなく,進行方向後側の一部のみです。また,後輪だけでなく前輪にも同じような場所に貼り付けられています。おそらく,タイヤがはねとばした水滴が集中的に当たる部分だと思いますが,この辺は効果とコストの兼ね合いで各社それぞれにノウハウがあるのでしょうね。

エンジンルームをチェックします。ボンネットを開けるまでもなく真っ先に目に付くところですが,ワイパーが左ハンドル仕様のままです(左,矢印)。右側のワイパーはCクラスと同様のリンク機構を採用していて,払拭面積が広いから大丈夫というのがBMWの見解のようですが,同様の機構を採用しつつ,きちんと右ハンドル用にローカライズしているベンツの存在はどう考えているのでしょうか。もっとも,ATゲートはBMWが右ハンドル用に合わせているのに対し,ベンツは左ハンドル用のままですからあまり大きなことは言えませんが……ともかく,シートベルト装着や視界確保といった,安全の基本にかかわる部分でのBMWの見識を疑わざるを得ないのはとても残念なことです。さて,重量配分にこだわるBMWらしく,今回もバッテリーは後方配置になっています。ボンネットを開けてもバッテリーは見えません。エンジンの搭載位置も可能な限り後ろに寄せられています(中)。直6搭載車では,エンジンの真ん中あたりがちょうど前車軸の上になっています。アウディA6との違いを比較してみてください(右)重量配分だけ考えるとコンパクトなV6をもっと後ろ寄りに積んだ方がいいと思いますが,BMW=直6というイメージを守ることはそれ以上に大事なことなんでしょうね。

さて,新エンジン搭載の525iを試乗してみました。といっても,気になるのはエンジンよりもアクティブステアリングとランフラットタイヤです。2年前の日本デビュー当時の記憶では,直進状態におけるアクティブステアリングの反応に大きな違和感を感じました。車を直進させているときは,ハンドルを中立に固定しているわけではなく,中立から左右に指0.5〜1本くらいの幅で微妙に動かすことで進路の微妙なズレを調整しています。優れたハンドルだと,指0.5〜1本の幅でも,切り足していくと微妙に路面からの反力が強まってくるので,タイヤの状況が文字通り手に取るように伝わってきます。ところが,アクティブステアリングだと,左右に指2〜3本分くらいはまるでゲームセンターのレーシングゲームのようにまったく手応えに変化がありません。その部分を超えると手応えが強まってきますが,直進時にはその領域までハンドルを切ることはまずありません。要するに,車の運転の大部分を占める直進時のフィーリングが今ひとつであることがアクティブステアリングの最大の問題点だと思っています。逆に,カーブの連続などでぐいっと大きくハンドルを切り込むような時はこの欠点がほとんど感じられず,ギア比が相対的にクイックになることの恩恵の方が大きくなります。以前,530iを借り出して箱根近辺をドライブした時にはサイズを超えた「キビキビ感」を感じました(「キビキビ」と向きを変えるのがいいかどうかはまた別の問題ですが)。

今回乗った最新モデルでも,アクティブステアリングの感触は基本的に変わっていませんでした。当初のモデルで感じた動きの渋さのようなものはなくなって,滑らかに動作するようになったと思いますが,その分余計に指2〜3本分の「ゲーム」感は強く感じられるようになったと思います。

一方,乗り心地の堅さをつとに指摘されるランフラットタイヤについては,それほど問題であるとは感じませんでした。これより乗り心地の堅い車はいくらでもあるので,あまり気にしなくてもいいのではないかと思いますね。また,エンジンはさすがという感じで,パワーの出方,音質ともに素晴らしいと思いました。


いくつかの看過できない問題はありますが,5シリーズは丁寧に真面目に作られていると思います。外観デザインはちょっと派手ですが,基本プロポーションは全高を高くとった素直なもので,居住性はEセグメントでも最良ではないでしょうか。ワゴンとしての使い勝手も様々に工夫されています。購入すればいろいろな場面で活躍してくれることでしょう。でも,だからといって,この車がそれだけの理由で選べるわけではありません。

5シリーズ,ベンツEクラス,アウディA6といったいわゆるEセグメント輸入車は,最低でも乗り出し価格が700万円近くになります。このクラスになると,車そのものを出来を吟味して購入の対象にするというよりも,買うことのできる人たちは決まっていて,その人たちが好みによって選ぶというブランド品的な色合いが強くなってくると思います。「5シリーズが欲しい」と思っていて,そのお金を用意できる人たちが,リアシートがダブルフォールディングでないとかシートベルトアンカーが上下調整できないとかといった理由で購入をあきらめるでしょうか。アクティブステアリングの違和感は決して小さな問題ではないのですが,それでも5シリーズを選択しない理由になるとは思えません。「今度のビーエムのハンドルはちょっと変だなあ」と思うくらいで,欲しければやっぱり買ってしまうのではないのでしょうか。そういった「商品」をこういう形で評価することの意味はどこにあるのか,ちょっと考えてしまいました。

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燃費レポート(その5)

5回目の燃費報告です。購入からちょうど2年を経過し,累積走行距離は4.6万km,給油回数は211回,給油量は1,376リットル増加して4,885リットルとなりました。納車以来の総平均燃費は約9.1km/lです。

今回もこれまでの傾向とは大きく変わりませんでした。3月下旬(給油回数180回目あたり)にタイヤを夏タイヤに戻していますが,ほとんど影響はありません。

実は,5月下旬(190回目あたり)からセカンドカーを導入したので,燃費を悪化させる「チョイ乗り」の回数は激減したのですが,いまのところ思ったほど燃費には好影響がでていません。それでも若干の改善傾向はみられなくもないので,今後の推移を見守りたいと思います。

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修理2題

少々古い話になりますが,3月のある日に一度に2件の「事故」を起こしてしまいました。

一件目は,飛び石によるフロントガラスの破損です。仕事が終わって車に乗り込んで,「さあ帰るぞ」と前を見たとき,運転席側のワイパーブレードの右端あたりからやや斜め上に向かって6〜7cm程度の「線」がウィンドウについているのに気が付きました。いやな予感を感じつつ,降りて確かめてみるとやっぱりヒビでした。ヒビの「起点」はブレードよりもさらに下の部分で,何かが当たったような跡があります。通勤ルートには自動車専用道路があり,ダンプカーなどの通行量も多いので一応覚悟はしていたつもりなのですが,実際に被害を受けるとやはりショックです。 こちらでも述べたように,車両保険には加入していますが,折悪しく1回目の免責金額を0から5万円に変更したばかりでした。条件見直しで得をした部分は帳消しになってしまいます。さらに飛び石は「等級据え置き事故」となるので,3等級ダウンという最悪の事態は避けられるとはいえ,上がるはずだったものが上がりません。私の場合まだ9等級ですから,少しでも等級を稼いでおきたいところだったので,この「事故」は結構つらいところです。

まあ,ひとまず気を落ち着けて,予想される修理金額と,保険使用と不使用の場合の得失を頭の中でグルグル計算しながら家に帰りました。走っている途中でもヒビが徐々に成長していくのがわかります。フロントウィンドウ交換は避けられない……最低でも10万円の出費となるでしょう。

そうすると,保険使用もやむを得ないか……どんどん運転の集中力が落ちていきます。 さすがに公道上では最低限の注意力を確保していましたが,自宅に着いたと同時に何かがプツンと切れてしまったようです。駐車場に車を入れる途中,隣の車のドアに左側フロントバンパーをこすってしまいました。写真の赤丸で囲んだ部分が損傷箇所です。接触したと同時に車を止めたので幸い大きな被害にはなりませんでしたが,相手の車はドアのモール部分に長さ10cmくらいのひっかき傷が付いてしまいました。

午前0時を回っていたので,とりあえずは保険会社への連絡だけをおこなって(駐車場内での事故ということで,今回のケースでは警察への連絡は不要ということでした),相手車両の所有者には翌日に報告し謝罪しました。幸いなことに,相手の損傷はドアモール部分に止まり,ドアの鈑金は不要だったので修理見積額は1万円程度で済みました。このくらいなら対物保険の必要はありません。直ちに見積金額を支払って,相手方との関係は円満に解決しました。

問題はこちらの車の修理代です。どちらも車両保険で修理すると,免責金額の負担は(1回目)5万円+(2回目)10万円=15万円となり,等級は3等級ダウンします。現在は9等級なので40%引きですが,次回からは6等級で10%引きとなってしまいます。さらに,等級の進行が遅れることによって損失は3年間にわたって加算されていきます。C180と同程度の車を5年ごとに乗り換えるという前提で計算してみると,等級ダウンによる損失は今後12年間で合計38万円弱となりました。免責金額とあわせると実質負担は53万円を超えてしまいます。

一方,ガラス交換だけに保険を使用すると,等級据え置きによる損失は今後9年間で合計6万円弱となります。免責金額と併せると11万円弱で,これにバンパー修理費を加えた額が実質負担額になるわけです。結局,今回の場合の「自腹」と保険使用との境界ラインは次のようになると考えられます。

(1)修理代金合計が約53万円超……2事故に保険使用
(2)修理代金合計が約11万円〜53万円(バンパー修理費約42万円超)……フロントウィンドウのみ保険使用
(3)修理代金合計が約11万円未満……全額「自腹」

ディーラーに問い合わせたところ,フロントウィンドウの交換費用は約12万円で,バンパーの傷は「スマートリペア」とよばれる軽補修で大丈夫だろうということでした。W203ワゴンのフロントバンパーの場合料金は27,300円(税込)です。合計で約15万円となりますので,今回はフロントウィンドウ交換のみに保険を使用することにしました。

「軽補修」ということで実はあまりスマートリペアの仕上がりには期待していなかったのですが,修理の出来映えは想像以上でした。よぉぉぉっく見ると補修した塗装面が若干荒れているのはわかりますが,気が付く人は少ないのではないでしょうか。飛び石であちこち傷がついていたフロントウィンドウもきれいになりましたので,落ち込んでいた気分が少し晴れました。やはり,どんな些細なものでも事故は起こさないに限るということを実感したのでした。

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