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C180TK Info --2003年10月〜12月

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夏タイヤのチェック

スタッドレスタイヤに換装した機会に,これまで使っていた夏タイヤの摩耗状況を細かくチェックしてみました。標準装着のタイヤはグッドイヤー・イーグルNCT5です。おそらくライン装着専用タイヤと思われます(リプレイス品のラインアップにはありません)。私の車に付いていたのは南アフリカ製で,2002年5月頃に製造されたもののようです。

左が新品タイヤ(スペアタイヤ)で,右が約9,200km走行後のタイヤです。一見してわかるように後輪の方が摩耗が早くなっています。重量1.6トン弱のFR車としては標準的な摩耗状況と思われます。中央部の残溝は前輪が6.8mm,後輪が5.6mmでした。後輪の方は中央部の細い斜め溝が無くなってしまっているので,新品と比べると別のタイヤのように見えます。前輪はまだかろうじて新品の面影を保っています。前輪の方は若干外側の摩耗が早いようですが,「偏摩耗」とまではいえる状況ではないと思われます。

新品タイヤの中央部の溝は8.3mm程度ですので,前輪は1,000kmあたり0.16mm,後輪は0.29mm摩耗したことになります。「5分山」程度(残溝4mm)まで使用するとすれば,前輪は約18,000km,後輪は5,500km程度走行が可能です。前後位置を入れ替えれば前輪は約10,000km,後輪は約9,700km走行できることになります。偶然なのですが,ローテーションすればちょうど前後輪を同時に使い切れることになって都合がいいことがわかりました。

ところで,取扱説明書ではローテーションは前後位置を入れ替えること,つまり左右位置は入れ替えないように指定されています。その理由を探るため,左右タイヤの摩耗状態がどう異なるのか調べてみました。

トレッドをよーく観察してみますと,前後輪とも回転方向に向かって刃を立てるような形で,トレッドがノコギリ状に変形していることがわかります(左,写真は右前輪を外側から撮影したもの)。新品タイヤにはもちろんそのような「癖」はついていません(右)。極端に言うと,使用している間にタイヤは「右型」「左型」に変形していくということになるわけです。タイヤの左右位置を入れ替えない方がいいという説の根拠は,この「癖」をそのまま最後まで維持した方がいいという考え方にあるものと思われます。

一方,できるだけ左右位置を入れ替えて,このような「癖」がつかないように使った方が望ましいという考え方もできそうな気がするのですが,「ローテーションは前後入れ替えのみ」を指定しているメーカーが多い(といっても,確認したのはベンツとオペルだけですが……)のを見るとあまり有力な考え方ではないようです。とりあえず,実際に違いが発生することが観察できた以上,ローテーションはメーカー指定の通りに実施した方がいいようです。

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スタッドレスタイヤ装着

タイヤをスタッドレスに交換しました。銘柄はコンチネンタルの新製品,コンチバイキングコンタクト3です。有名メーカー製の最新のスタッドレスであればあまり性能面での差はないと考えて(根拠を問われても困るのですが……),主に価格や手間(のかからなさ)といった面を中心に選択しました。手間がかからないという点では購入元のディーラーが一番なのですが,ここで扱っていたのはブリジストン(ブリザックRevo1)とコンチネンタルで,価格の面で有利だったことからコンチネンタルの選択に至ったというわけです。近所の量販店での価格と比べても,購入条件は非常に満足のいくものとなりました。

コンチバイキングコンタクト3は「日本向けスタッドレス」という位置づけです。生産国はいまのところ不明(外側サイドウォールに記載がないので確認できない)ですが,もしかすると提携先の日本メーカー(販売元は横浜ゴムです)で製造されたものかもしれません。ミシュランの「ドライス」と同じようなものですね。夏タイヤであれば世界共通製品でも問題ないようですが,冬タイヤとなると地域の特性にあわせた製品の必要性が高まるようです。ちなみに,「バイキング」というのはコンチネンタルに買収されたタイヤメーカーの名前だったように記憶しています。

装着後200km程度走行したところでは特に問題となるようなところはありませんでした。装着直後にはハンドルが軽くなったのですが,それは空気圧が指定より40kpa高かったためでした。指定空気圧に調整すると,夏タイヤの時と同じしっとりねっとりした重厚なハンドルの感触が戻ってきました。速い転舵を入れたときの姿勢の収まりは少々悪くなる(少しヨレヨレっとした動きになる)ようですが,これは仕方ないところだと思います。感心したのはロードノイズの低さで,良好なハンドリングと相俟って,言われなければスタッドレスだと気が付かないかもしれません。急な積雪や凍結に対する「保険」の意味でのスタッドレス換装なので,ほとんどは通常路面での走行になりそうなことを考えるととりあえずは満足のいくところです。

なお,写真のホイールはC180コンプレッサー純正装着のものです。ホイールカバーもありますが,「鉄チン」の雰囲気も悪くないのでしばらくはこのままにしておきます。

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04モデルを見て

東京モーターショーレポートのところで少しお伝えしていますが,この度C180コンプレッサーステーションワゴンの2004年モデルをじっくりと調べる機会がありましたので,気が付いたことをまとめておくことにしましょう。

今回見てきたのは限定車のC180コンプレッサーステーションワゴンリミテッド(それにしても長い名前だ)です。数々の豪華快適安全特別装備がついてたったの10万円アップというお買い得仕様です。前回が(確か)5月頃,今回が11月発表ということでもわかるように,明らかにボーナス需要を狙った戦略モデルだと思われます。実は本ページ作者も前回のリミテッドを狙っていたのですが,商談を開始した頃にはすでに売り切れていたという因縁のモデルでもあります。

今回のリミテッドではタイヤが205-55R16にサイズアップされアルミホイールが装着されることと,カラーが「トラベルティンベージュ」になったことは前回と異なりますが,レザーツイン内装やバイキセノンヘッドランプなどは同じです。レザー「ツイン」というのは要するに本革と合成皮革のコンビということで,本革を使っているのは左の写真で黄色に塗った部分(前席座面とバックレスト中央部)だけです。後席やドア内張は全部合成皮革です。ご存じの方も多いでしょうが,「本革シート」といっても表皮が全部本革という車はかなりの高額車だけです。隣に展示してあったEクラスの内装にも合成皮革が使われているのを確認しました(こちらは本革+合成皮革+ファブリックの組み合わせでした)。600万円程度(……)ではオール本革の車には乗れない可能性は非常に高いわけですね。わざわざ「ツイン」と呼ばなければならないのはそれだけ本革を使用している部分が少ないからなのでしょうが,ある意味正直で良心的といえなくもありません。もっとも,合成皮革部分の質感は悪くなく,よほど注意してみないと区別はつかないと思います。よぉっっっく見ると表面のシボの深みが違います。

右2枚はバイキセノンランプとヘッドランプウオッシャーの写真です。単品だと12万円のオプションで,さらにC180とC200にはオプション設定すらないというものです。これだけでリミテッドの価値はあるわけで,本ページ作者もこれがリミテッド狙いの目的でした。「バイキセノン」の名前の由来は,ロービームだけでなくハイビームとしてもキセノンランプが機能するというところにあります。ハイビームにすると内部のシャッターが移動して上方にも光が届くようになっています。要するに,ハイビームにするとキセノンのハイビーム+通常バルブのハイビームになるので非常に明るくなるわけですね。

04モデル共通の変更点に話を移します。個人的に一番注目したいのは,スペアタイヤがテンパータイヤ化されたことです(左)。荷室フロア下の物入れの容積が拡大されていたことで気が付きました(左から2番目))。アウディやBMWなど直接のライバルだけでなく,VWやオペルなどでも通常タイヤをスペアにしていることが多かったと思うので,ベンツが先駆けて(?)テンパーに移行したのには驚きました(追記:アウディA4でも04モデルからはテンパータイヤに変更されているとのことです。03モデルまではアルミホイール+通常タイヤだったのですが……)。実際にお世話になることはほとんどなくても,同じタイヤがスペアにあるというのは大きな安心感をもたらしていたと思うのでちょっと残念です。なお,Cだけでなく,Eクラスの04モデルでもテンパータイヤが採用されていました(右)。

内装で気が付いた点をいくつか。グローブボックスの「2段目」部分の出っぱりがなくなり,物が入るようになっていました(左)。登場直後はこうなっていて,後で03モデルのような出っぱり(後席用ファン?)が追加されていたようなのですが,またもとに戻ったようです。機能に変更がなければもちろん喜ばしい変化ですが,03モデルユーザーにとっては割り切れないものも残ります。

ダッシュボード中央の助手席エアバッグ作動停止ランプの表記が変更されました(左中)。03モデルでは「AIRBAG OFF」だったのが(右中),04モデルでは頭に「PASS.」の表記が追加されています。もちろんPASSengerの略称と思われます。また,ATモードが「W/S」から「C/S」に変更されたのは既述の通りです(右,再掲)。

メカニズム関連で気が付いた点を最後にまとめておきます。ワイパーがフラットブレードタイプに変更されたのは既述の通りですが,ブレードのメーカーは以前予測していたとおりSWFでした。

ボンネットを開けてみると,パワステリザーブタンクとオイルクーラーを結ぶパイプの一部に断熱材(?)が追加されているのに気が付きました(左)。03モデルにはみられません(中)。何か不具合でもあったのでしょうか?ちょっと気になります。また,リアブレーキのキャリパーが(おそらく)ルーカス製に変更されていました(右)。

フロントウィンドウ中央上部のセンサー窓の形状も変わっていました。03モデルではライト用とワイパー用で別々の窓が開けられていました(左)。向かって右側がライト用センサー,左側がワイパー用センサーです。C180ではワイパー用センサーが装備されていないので右側は何もみえません。……はずでしたが,なぜか作者の車には虫の死骸のようなものが見えました……。もちろんクレームで清掃してもらいました。04モデルでは窓が一箇所になっています(右)。

ということで,モーターショーの雑踏の中ではあまり気が付きませんでしたが,見れば見るほど細かいところが変更されている04モデルでした。02モデルから03モデルの時のような劇的な変化ではありませんが,スペアタイヤ変更に見られるようにどちらかといえば快適化・合理化をおし進めた点が多かったように思います。

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燃費レポート(その1)

C180に乗り始めて3ヶ月が経過したので,このあたりで一度これまでの燃費をまとめておくことにします。

まずは給油ごとに計測した燃費のデータです。納車後36回給油して,最大値は13.4km/l,最小値は5.4km/l,平均値は8.6km/l(グラフ中は青線で表示)でした。10・15モード燃費は10.4km/lなので,平均燃費はカタログ値の約83%程度となります。

計測期間中の累積走行距離は6,029km,平均給油量は18.4lでした。私の場合,片道約50kmの通勤が主な用途で,その中の約3分の1は高速道路走行になります。通勤時の平均速度は20km/h台後半〜40km/h台前半となります。市街地走行の機会はあまり多くないので燃費には有利な状況でしょう。ただ,こまめに給油することが多いこと,2箇所のスタンドを利用していることから満タン法の値はややばらつきが多くなっているものと思われます。給油は最初に給油機が自動ストップしたところで止めています。

最高値を記録したのは東名〜名神〜中国道を約700km連続走行した時です。さすがにこういう状況では強いですね。最低値は市街地のみを40km弱走行して給油したときの値です。いわゆる「チョイ乗り」が多い場合だとこれに近い数字が出るものと思われます。

6,000km走行しているのでいわゆる「慣らし」は終わった状況だと思われます。しかし,燃費に好影響をあたえた様子はないようです。また,真夏〜秋口にかけての数値ですが,エアコンが常時ONのためか特に季節による変動も観察できませんでした。やはり,走行状況,とくに平均速度の影響が燃費には大きいということがこの車にも当てはまると思います。

不完全なデータで申し訳ありませんが,車載の燃費計と満タン法計測値との違いも載せてみました。グラフに現れているとおり,私の使用状況では平均すると0.7km/l程度燃費計の方が常によい値を示しているようです。一度だけ満タン法が極端によい値(燃費計+1.8km/l)を示していますが,これは満タンのやや手前で自動停止されてしまった影響と思われます。その次に極端に悪い値が出ているのは逆に,違うスタンドでずっと多く燃料が入ってしまったことによるものと思われます。この2回を除くとそれほど誤差に変動はみられないので,この点を考慮すればまあまあ信頼できる燃費計だと考えています。

燃費については,今後も3ヶ月程度を目処にまとめて報告する予定です。

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世界一の底力

前回紹介したメルセデスベンツの「F-cell」もそうだったように,今回のモーターショーでも燃料電池(を用いた電気自動)車があちこちのメーカーで展示されていました。ただ今回は,それが「主役」であったところは比較的少なかったように思います。前回や前々回では「未来の車」とばかりに大々的に取りあげていたメーカーが多かったように思いますが,実用化に向けた開発が進むにつれてさまざまな「限界」も明らかになってきたからではないかと個人的には思っています。「夢の車」の段階を過ぎたからこそ,夢では見えなかった現実が見えるようになってきたというわけですね。

燃料電池で車を走らせる技術そのものはものすごく進化しているわけですし,日本でもトヨタグループとホンダが実証実験をスタートさせています。しかし,商品としてラインアップに加えるためには大量生産のための技術も確立しておかなくてはなりません。「実験車」としての少数生産なら一台一台手作りで「現物合わせ」の方法も使えますが,全世界の工場で年間数十万台単位で生産するためには構成部品や組み立て方法の規格化標準化単純化が必要不可欠となってくるわけです。

そういう目でみて,「なるほど」と思わされた展示がGMの「ハイドロジェン3」です。現在,東京都内で宅配便会社の配送車として実証実験が進められている車両が展示されていました(上)。

配送車仕様なので後半分は荷室,1ナンバー登録です(左)。一方,前席より前はスポーティな仕様になっています。レカロ製の本革シートがついています(右)。ベース車両はオペルの「ザフィーラ」で,C180の前に所有していたので個人的には思い入れも深いのですが,それはとりあえずおいておきましょう。

一番左の写真がハイドロジェン3の駆動システムです。写真の左側の方が車両前方になります。GMがアピールしていたのは,この駆動システムがユニット化されていて,セダンタイプの車(右中写真)にも容易に搭載可能である点です(説明は左中写真)。セダンタイプの車は「ハイワイヤー」と名付けられています。右写真の説明に「ボディ・スワップ・モデル」,要するに「交換可能車体モデル」とあるように,共通の駆動システムを用いてセダンやクーペ,ミニバン,ピックアップといろいろ造り分けられることを強調しているわけです。基本シャシーは「スケートボードシャシー」と呼ばれており,ベンツのAクラスと同様の2重フロアであることがわかります。さらに説明を読んでみると,「ドライバー・コントロール・ユニット」が左右に簡単に移動できること,すなわち左右ハンドルが簡単に造り分けられるようになっていることもわかります。

つまりこのことは,基本となる駆動ユニットの信頼性が確認されれば一気に燃料電池車のバリエーションを広げることができるということを意味しているわけで,GMがある程度本気で燃料電池車の普及を考えているのではないかという可能性を感じさせます。

もちろん,ベンツやトヨタやホンダといった主要メーカーでも燃料電池車の普及戦略は練られていると思います。駆動システムのユニット化やモジュール化もそれぞれ研究を進めていることでしょう。しかし,そういった中核技術をモーターショーで堂々と発表してしまうところはさすが世界一の自動車メーカー,「これぞ本当のコンセプトカーだよ」と感心させられたのでした。

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東京モーターショーレポート

千葉県の「幕張メッセ」で開催中の東京モーターショーに行ってきました。私の車はヤナセから購入したものですが,いろいろ経緯があってなぜか「シュテルン○○」の販売店印がある入場券を持っていくことになりました。それはともかくとして,あまりマスメディアでは語られることのない(と思う),私自身の視点からみたモーターショーレポートをお届けします。

最初からあまり関係のなさそうな絵ですみません。左は幕張本郷駅と会場を結ぶシャトルバスで,全国でも走ってるのはここだけという「連接バス」です。全長18メートル3軸車ですが,前と後を切り離すことが出来ないのでけん引免許は要らないそうです。エンジンとシャシーはボルボ,ATはZF,ボディは富士重工製です。

モーターショーに行くのは初めてで,さぞかし混雑しているだろうと身構えていったのですが思ったほどではありませんでした。あちこちでモーターショー「らしい」風景はみられましたが(中),身動きがとれないというほどではありませんでした。メルセデス・ベンツのブースは一番奥に近いところにありました(右)。

せっかくなのでコンセプトカーをいくつか。左は今回のショーカー「F500Mind」です。「次世代のハイラグジュアリーセダンコンセプトを描き出す」車ということらしいのですが,どこが新しいのかはよくわかりませんでした。パンフレットに写真すらなく,本当にやる気があるのかどうか疑ってしまいました。エンジンがディーゼルターボというところは記憶に残っています。

中と右は燃料電池車です。これまで「Necarいくつ」という名前がついていたように思うのですが,これには「F-Cell」という名前がついていました。室内をのぞいてみても,燃料電池車ということはわかりません。まさに2重フロアの恩恵だと思いますが,ちょっと遅かったかもしれません。Aクラスもそろそろフルチェンジですよね。

Sクラスをベースに造られた高級高額車「マイバッハ」です。ただし,表から見える部分のどこにもメルセデス・ベンツとは書いてありません。展示されていたのは「62」といわれるロングバージョンの方です。名前のとおり全長6.2メートルあります。右はエンジンの写真です。5.5リットルのV12ツインターボで,SやCLやSLに搭載されて先行デビューしているものです。こういう車って,近くでみて内外装の仕上がりのよさにため息をつくところに楽しみがあると思うのですけど,手の届かないところに置いてあったのは残念でした。

今回一番人気だった「SLRマクラーレン」です。「マクラーレン」とついていても,かつての「マクラーレンF1」とは根本的に考え方は異なるようです。名前や内装からしてSLがベースみたいですね。こういう車って最近のヨーロッパ車に多いですよね。日本でも発売すればきっと売れるのでしょうか。あまり興味がないので,アングルも適当ですみません。個人的にいえば,SLRという単語からはカメラの「一眼レフ」(Single Lens Reflex)を思い浮かべてしまいます。

モーターショーとほぼ同時期に発売となったミニバン,「Vaneo(バネオ)」と「Viano(ビアノ)」です。ビアノはVクラスの後継車で,商用バンの「Vito」と基本的に共通なのもVクラス時代と同じです。ただ,駆動方式はFFからFRに変更されました。バネオはAクラスをベースにして新たに投入されたモデルです。Aクラスベースですから,真っ平らだけど高い床もそのままです。バネオは1.9リットルで5人乗り,ビアノは3.2リットルで7人乗りです。

現行Aクラスにはちょっと疑問を感じるところが多いので,バネオの方はちょっと……です。ビアノの方はこういうスペースが必要な場合には結構魅力的だと思いました。両車とも乗用車ラインよりは若干つくりは落ちるようですが,それを理解したうえで選ぶのなら十分なのではないでしょうか。

Cクラスの04モデルも展示されていました(写真はC180コンプレッサーセダン)。グリーンは初めてみる色です。気が付いた変更を2点ほど。まず,ワイパーがフラットブレードタイプ(後述)に変更されていました(左中)。以前にいずれこうなるのではと言っていたのですが,こんなに早く変わるとは思っていませんでした。ブレードだけでなく,アーム自体の構造も変わっています。アームの板厚を薄くして,構造で剛性を稼ぐようになっているようです。ちょっと「安っぽさ」を感じるかもしれません。リンク機構はいままで通りです(右中)。あと,ATのモード表示が「W」(ウィンター)と「S」(スタンダード)から「C」(たぶんコンフォート)と「S」に変更されました(右)。これもEクラスなどで先行して採用されていたものです。機能はおそらく変更ないと思います。

実はこちらの方が興味深かったという,部品メーカーの展示から目に付いたものをいくつか。左はCクラスでも採用された新タイプのワイパーです。「フラットブレード」ワイパーという名前でフランスのValeo社が出品していました。メリットは,ブレード自体がスポイラーの役割を果たすこと,圧力配分が均一なこと,金属構成部品の削減による風切音性能と耐凍結性能の向上,ブレードの脱着が容易なことなどが挙げられていました。ただ,メーカーの人に聞くとベンツでは他メーカーのものを採用しているようです(たぶんSWF?)。Valeoはアウディなどで採用実績があるとか。

右はドイツのHella社が展示していたオイルレベルセンサーです。ベンツに使っているということは明記されていませんでしたが,展示パネルの黄色で囲んだ部分は明らかにSクラスのメーターパネルです。おそらく,ベンツ各車のセンサーとして採用されているものと思われます。説明を読む限りでは,いったんセンサーを熱しておいて,それが一定の温度まで冷めるまでの時間で油量を判断しているような感じです。冷めるのに時間がかかると,センサーが油に浸かっていない(=油量が減少した)と判断するようですね。

Cクラスそのものズバリという部品も展示されていました。左はValeo社製のコラムスイッチユニット。年産43万ユニットだそうです。

中・右は個人的に今回もっとも興味深かった,ドイツLUK社製のCクラスのステアリングコラムユニット。コラムの伸び縮み機構にZ型のリンクを使っているという点に驚きました。上部の「シャッター」部分の動き(QuickTime形式,1,116KB)基部のリンクの動き(QuickTime形式,1,268KB)を載せておきますのでご確認下さい。

話題のショーカー,参考出品車についてはあまり興味が湧きませんでしたし,情報はふんだんに提供されていますからありがたみもあまり感じませんでした。しかし,部品メーカーの展示はあまり情報がないだけに大いに興味をそそられました。人が多くて疲れましたけど,やはり行ってよかったと思いました。じっくり展示をみれば分かるとおり,もはや「部品」の領域を超えている製品というのが多いことに気がつきます。アイシングループやデンソー,ボッシュといった大手部品メーカーになると,製品をならべただけで車一台作れそうなほどです。

だからといって,完成車メーカーの役目は成長著しい部品メーカーにとってかわられるのかというと,そうとは単純に言い切れないように思います。どんな車をどれだけ作ってどこにどのくらい売るのかということをきちんと決められなくては,部品メーカーの仕事自体がなくなってしまうことになります。そう言う意味では完成車メーカーに求められるのはやはり広い意味での「企画力」ということになると思うのですが,いくつかのコンセプトカーをみる限り「こんなのつくってて大丈夫なんだろうか」と少々心配になったのも事実です。

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まるで携帯電話のような

かつてのベンツは「よい機械」の代名詞のようなところがありました。エンジンや駆動系,サスペンションでも電子制御の導入には非常に慎重で,機械的なメカニズムの完成度を高めることに第一の目標があったということだと思います。

が,時代は変わり,現在のベンツは電子制御の固まりのような存在になっています。他を圧倒する高級で高価なメカニズムの力に頼って性能を出すという考え方から,機械的にはそこそこな程度にとどめておいて,電子制御の力で同等の性能を出すという考え方に変化してきたというわけです。

このような変化をベンツの「変節」として批判する見解も時折見かけますが,私自身はある程度やむを得ないことだと思っています。高価な機械を少数の理解可能な人々に売っていればよかった時代はよかったわけですが,現代の自動車産業はたくさんの商品を生産してたくさんの人々に販売しなければ成り立たなくなってしまいました。いままでのようなやり方をベンツが続けていれば,おそらく他の大資本に吸収されてしまうことでしょう。そうなったら,「そこそこ高級なもの」ですら作れなくなってしまうかもしれません。

前に書いたように,ベンツは1920年代の外国資本の攻勢をとりあえず自力で乗り切りました。このときはヒトラーに「すり寄る」という「禁じ手」を使わざるを得なくなったのですが,現在では幸いにして少々機械を安物にして利益を稼ぎ,逆に米国資本を飲み込むことで世界のトップブランドとしての地位を維持することができています。こういう歴史的国際的背景を考えると,巷のベンツ批判には少々異議を唱えたくなるところが出てくるわけです。

もちろん,実際に商品を購入し使用するユーザーにしてみれば,自分の買った機械がかつてよりあきらかに「安物」になっているという(と世間で言われている)のはとても寂しいことです。この寂しさは,ダイムラークライスラーの世界戦略に正当性があるという理由では癒すことができないものです。実は,機械が「安物」になったおかげで製品価格や部品価格もある程度安くなっているという恩恵は無視できないのですが,もはやかつてのような「ベンツ」は2度と手にすることができないというのは一人の車好きとして本当に寂しいことだと思います。

さて,話を今回のトピックに戻します。最近の車では,個々の機器の電子制御だけではなく,それらをどう統合的に制御していくかということが課題となっています。ベンツでも「CAN(コントローラー・エリア・ネットワーク」とよばれるデータバスを用いてエンジンやトランスミッション,ABS,ESP,クルーズコントロールなどを統合的に制御しています。また,照明やオーディオといった各種機器も統合してコントロールできるようになっています。車両の情報は基本的にメーターパネルの中にあるディスプレイに表示されます。

左の写真は「ショートトリップメーター」を表示させている時のものです。これはエンジン始動時以降の走行状況を示すもので,エンジンをとめると4時間で自動的にリセットされることから「ショート」の名前がついています。このほかに,強制的に操作しない限りリセットされない「ロングトリップメーター」もあり,こちらの場合は上に「リセット カラ」と表示されます。

写真に青文字で示されているのが「ショートトリップメーター」独自の表示内容で,それ以外の常に表示されている情報が赤い文字で示されています。「AT変速モード」には表示されている「S」(スタンダード)と「W」(ウィンター)があり,Wにすると2速発進に切り替わります。切替はシフトレバー横のスイッチ(右写真で黄丸で囲んだ部分)でおこないます。

右の写真で赤で囲んだ部分が表示切り替えや設定変更に使用するスイッチです。この4つのボタンで基本的にすべての設定をおこないます。ユーザーが設定できる内容を紹介しましょう。

左が設定メニューの基本画面です。「A」とマーキングされている右の写真はそこから一段下の階層を選択した状態です。ここから個別機能の設定をおこないます。「インストゥルメント パネル」の設定内容をみてみます。

時刻設定くらいはよくみかけますが,温度や速度はヤード・ポンド法の世界でも通用する表示に変更できます。なお,最後の「ヒョウジ センタク」で「ソクド」を選ぶと,ディスプレイパネル下部の表示が速度から外気温に切り替わります。上の設定をいろいろいじってみると,はじめに説明した「ショートトリップメーター」の表示を次のように替えることができます。

「マイル」表示を選択しますと,平均燃費表示も「キロメートル毎リットル」から「マイル毎ガロン」に変更されます(左)。また,温度を華氏表示にすると,メーターだけでなくエアコンパネルの表示も変更されます(右)。

上の「A」の写真で「イルミネーション」を選択したときの設定内容です。「ランプ スイッチング ヘッドランプ オフ」で「ツネニ テントウ」を選択すると,キーONの状態で常にランプを点灯させることができます。「ロケイター ライティング」というのは,リモコンでドアを開鍵すると自動的にランプが点灯して車の場所を知らせてくれる機構です。また,ドアを閉めたときのヘッドランプとルームランプの消灯遅延時間を設定することもできます(右2点)。

「A」で「シャリョウ」を選択したときの設定内容です。「スピード リミッタ」というのは,主にスピードレンジの低い冬用タイヤで速度を出しすぎないようにするための機構です。これとは別に,クルーズコントロールレバーを使って30km/h以上の任意の速度でいつでもスピードリミッターを設定することができます。「オートマチック ドア ロック」は,走り出すと自動でドアをロックする機構のことです。国産車にもよくあるやつですね。

ここで説明したのは設定画面だけで,このほかに水温や半ドア,燃料残量やオイル量などの各種警告,ラジオの周波数やCDの演奏トラック,ハンズフリー電話の通話状況,トリップメーターとオドメーターといった様々な情報がこのパネルに表示されます。

ここに挙げた情報は有り体にいってしまえばオーナー以外には関係のない話です。今回は冗長と言われるのを覚悟であえてすべての設定画面を載せてみました(上級モデルになるともっと項目が増えます)。自動車産業が規模の利益を追求するようになったのは,自動車という商品が趣味性嗜好性地域性の高いものから標準化規格化国際化されたものへと性格を変えつつあるという状況に対応しています。もっとも標準化規格化されている商品のひとつがいわゆる情報家電であり,とりわけ携帯電話はその最先端に位置するものです。

実は,この車を購入する直前に初めて携帯電話を購入して,その設定に少々戸惑った経験があります。設定内容自体ではなく,多くの機能を少ないスイッチで操作するというそのロジックに戸惑ったのです。ベンツを購入して上記のような設定をした際にも同じような戸惑いを感じました。自動車の電子化・統合制御化がすすんだことは,自動車の操縦性や安全性を向上させ,さらにこれまでメーカーの「お仕着せ」であった各種仕様にユーザーの意思を反映できる可能性を高めたのは間違いありません。しっかり説明書を読んでじっくりスイッチを操作すれば誰でもその恩恵にあずかれるわけですが,携帯を買っても通話とメールしかしない人が多いのと同様,またパソコンを買っても年賀状印刷にしか使わない人がいるのと同様,廃車までトリップメーターとオドメーターしか表示しないような人も多くなるような気がしています。もちろん,オーナー自身の満足度が機能をどれだけ使いこなしたかということだけでは測れないのも当然なのですが……

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ワイパーあれこれ話

メルセデス・ベンツ各車はこれまで凝ったワイパーを採用していたことで知られています。つい最近までは,伸び縮みしながら(約)180度作動する1本アーム方式を使っていました。払拭面積が広くなり,左右で差がないというところがメリットだったようです。しかし,最近のベンツではこの方式を全く見かけなくなりました。

普通の2本アーム式ですと,ワイパーアームは約90度程度動いたところで向きを変えて戻ります。アームが立ち上がるときに拭きあげられた水滴は,ワイパーアームが止まって向きを変えたところでウィンドウ上に留まります。運転席側ですとそのまま下に流れるか,風圧でピラー側に飛ばされていきます。助手席側のアームが拭き取った水滴は,戻ってきた運転席側アームによって下に落とされます。

ところが1本アーム式ですと,拭きあげた水滴はそのままワイパーによって反対側に運ばれていきます。また,アームの数が半分ということは動かす速度を倍にしなくてはならず,結果としてかなりの勢いで水滴を反対側に跳ねとばすことになります。

アウトバーンを200km/hで走るときは水滴がどこに飛ぼうと関係はないのかも知れませんが,日本の道路状況においてはこういうワイパーは非常に使いにくいものとなります。1本アーム式の車に乗っていたオーナーから「停車中はワイパーを動かせなかった」という声を聞いたことがあります。ベンツだけではなく,日本車でもかつて1本アーム式を採用していたケースがありましたが,大抵はモデルチェンジで2本アーム式に変更されていました。さらにベンツの場合,凝ったリンク機構を採用したりしていたためにコストの問題も無視できなかったものと思われます。

現在のベンツ各車はポピュラーな2本アーム式に移行しています(左)。ただ,助手席側のアームに工夫が凝らしてあって(右,赤丸の部分),助手席側上方の拭き残しが少なくなるようになっています。リンク部のカバーを開けた状態が右の写真です。また,2本のワイパーブレードの重なりが非常に大きくとってあり,ワイパーアームの間の拭き残しをなくそうという工夫もうかがえます(右,青丸の部分)。ただし,この位置関係のおかげで,ワイパーアームを立てるときには必ず運転席側を先にしなければなりません。助手席側を先に立てると運転席側アームが引っかかって立てられなくなります。同様の助手席側リンク機構は近年日本車でも採用例があり,コストと性能という観点からみた最適解の一つなのかもしれません。

ちなみに,左の写真の丸で囲んだ部分は空調の吹き出し口です(時々スピーカーと間違えられます)。

Cクラスだけでなく,EおよびSクラスも基本的には同じ機構ですが,後者ではワイパーブレードの形状が変わっています。上の写真にあるように,トーナメント型の押さえ金具ではなく,ブレード全体が大きくしなってガラスに密着するようになっています(写真はアウディA4カブリオレですが,ベンツも同じような形状です)。この方式の得失はよくわからないのですが,ヨーロッパの高価格帯車を中心に採用例が増えているようです。遅かれ早かれCクラスもこうなるかもしれません。なお,助手席側のブレードは下に向かってカーブを描く形で曲がっており(右),専用品でなければ使えないかもしれません。メルセデス・ケア期間中は無償交換の対象になっています。

助手席側ワイパーの動きを撮った動画を用意しました。(1)車外から(QuickTime形式,511KB),(2)車内から(QuickTime形式,696KB)。ちょっと見慣れない動きをするので最初は気になるかも知れません。もっとも,1週間も乗れば大丈夫です。運転席側の映像もありますので参考にしてください(QuickTime形式,722KB)

上はワイパースイッチの写真です。ベンツ各車は基本的にウィンカーとワイパーを一本のレバーで共用するようになっていて,C180では右側にレバーがありません。おかげで日本車から乗り換えても交差点ごとにワイパーを動かさなくて済みます(もちろん,そのかわりに手が空を切るわけですが……)。C200以上になりますと,ウィンカーレバーの下に電動チルト・テレスコのレバーがつきます。さらに上のクラスになるともう一本右側から生えて全部で4本になるようです。また,C240以上になるとレインセンサーが装備され,間欠ポジションにしておくだけで雨量に応じて作動スピードが自動調整されます。C180/200は標準的な3スピードタイプですが,一度動き出した後で停車すると自動的に1段階遅いスピードにセットされます(間欠ポジションの場合は間隔が長くなる)。標準スピードの場合の停車から発進までの動画を用意してありますのでご確認下さい(QuickTime形式,1.82MB)。この機構は非常に重宝しています。停止・復帰のタイミングも絶妙だと思います。

さて,フロントほど話題にされてはいないのですが,実は私が密かに感心しているのはリアワイパーです。なによりも非常に払拭面積が広く,室内から見える部分をほとんど拭き取ってくれます(こちらも参照下さい(QuickTime形式,512KB))。前項に挙げた写真でもわかるように,リアガラスの傾斜は結構きついのですが,ガラス形状は正方形に近いために拭き取りの点では有利です。ここまで考えてデザインしていたとしたらすごいんですが……。

リアワイパーは間欠のみの1スピード式ですが,後退時には自動的に連続(低速)スピードで動きます。たとえスイッチが入っていなくても,フロントワイパーを作動させていると後退時には自動で間欠作動します。フロントワイパー自体も後退時にはスピードが遅くなります。リンクやブレード形状といった機構面だけでなく,動作ロジックといったソフト面でもよく考えられたワイパーシステムだと思います。なお,リアワイパーについては180度動く1本アームのために水滴が飛び散りやすいという問題点はあるわけですが,フロントほど使用頻度が高くないので許容範囲かと思われます。

さて,こちらはワイパーではありませんが,同じくらい重要な側方視界の確保です。60km/h程度までは通常の車と同様ですが(左),100km/h程度まで速度を上げると中写真のような状況(一瞬だけワイパーを止めました)でも側方視界はクリアに確保されます(右)。この車に乗り換えてはじめて雨の高速を走ったときは驚きました。

50km/hから100km/h程度まで速度を上げたときの視界の変化を載せておきました(QuickTime形式,4.03MB)。速度があがるにつれて(だいたい80km/hを過ぎたあたり)水滴が上へ跳ね上げられていくのがわかると思います。また,ドアミラーが受け止めた水滴もミラー面に回り込まずに外へ飛んでいるのがわかります。フロントウィンドウからの水滴もサイドに回り込むことはありません。Aピラーまわりの溝やドアミラーに形成されているリブにはこういう意味があるわけですね。

ちなみに,側面に回り込まなくなった水滴は基本的に上方に巻き上げられていきます。ですので,この車で雨の高速を走ると屋根が通常以上に汚れることになります。雨の降っていない日にウォッシャー液を噴射してみると,巻き上げられた水がどこに流れていくのかがよくわかります。視界が悪いよりは屋根が汚いほうがずっとマシなことはもちろんですが,一つの効果を得ようとすると必ず他の部分にも影響が出るというシビアな現実に触れたような気もしました。

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C180コンプレッサー

このサイトの主役は筆者が7月に購入したC180コンプレッサー・ステーションワゴン(2003年モデル)です。この車について少し説明しておきましょう。なお,以下では車名の「コンプレッサー」を「K」と略します。

現行Cクラスが日本に導入されたのは2000年秋で,この時は4ドアセダンのみ,C180とC200K,C240というラインアップでした。ワゴンが追加されたのは翌年春です。このとき導入されたC180は2.0リットル(1,998cc)エンジンを搭載していました。同じエンジンにルーツ式スーパーチャージャーを装着したモデルがC200コンプレッサーです。つまり,180も200も最初は両方2リットルだったというわけです。

ところが,2002年10月に発表された2003年モデルで状況がかわります。直4エンジンが一新され,1.8リットル+(たぶん)ルーツ式スーパーチャージャーに一本化されます。低圧過給バージョン(143ps)を搭載したのがC180K,高圧バージョン(163ps)を搭載したのがC200Kとなりました。今度は180も200も両方1.8リットルということになりました。購入する前に両方乗ってみたのですが,レッドゾーン手前まで使い切らない限り両者の差はわからないと思います。

「エンジン代」には差がないので,180Kと200Kの差は主に装備ということになります。両者の差はまず,180が基本的に「クラシック」仕様であるのに対し,200が「エレガンス」仕様となることです。エレガンスはドアハンドルがボディ同色となり,モールに銀メッキのラインが入り,グリルの横桟の数が増えます。ホイールもアルミになるので,少なくとも見た目はまったく変わります。また,内装ではウッドパネルの材質・色調が変わり,使用面積も200のほうがずっと大きくなります。さらに,ステアリングとシフトノブは本革,運転席はメモリー付きパワーシート,電動ステアリング,シート地も変わります。

左・中:C180コンプレッサー,右:C200コンプレッサー

すくなくとも見た目はまったく変わりますので,60万円差というのは結構絶妙な価格設定かもしれません。メモリー付きパワーシートも結構役に立つかもしれません。が,私はあまり悩まずにC180にしました。

納車の時にディーラーで撮った写真です。アルミホイールと本革巻ステアリングだけは欲しいなと思ってオプション装着しました。ホイールが約19万円,ステアリングが約4万円で計23万円のアップとなります。C200との差はそれだけ縮まったのですが,逆にいうと40万円分「節約」(あくまで私の観点から)できたということになりました。

他のオプションとして,HIDとETC,CDチェンジャー,リア全面スモークフィルムを装着しました。欲しかったものを選択しただけなのですが,たまたま合計額が約40万円となりました。結局,200の予算で180を選んで(200に無い)必要な装備を付けた形となり,まあまあ良い買い物ができたのではないかと納得しています。

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Cクラスとは

メルセデス・ベンツの乗用車ラインアップは古くから,セダン系とスポーツカー系に大別することができました。また,これと並行して純粋なレーシングカーも生産されていました。1970年代に入ると,大型高級セダンの「S(クラス)」,普及サイズの「コンパクト」,2人乗りオープンの「SL」を中心とした現在のラインアップの原型が確立します。さらに,1982年になると「コンパクト」よりもさらに小さい,日本の5ナンバーサイズの枠内に収まる「190E」が発表されました。この190Eが93年のモデルチェンジではじめてCクラスを名乗ります。190Eの登場以後旧コンパクトは「ミディアム」という呼称に変更されましたが,Cクラスの登場にややおくれて「Eクラス」を名乗るようになりました。同時にSクラスの車名表記もこれまでの「○○○S」から「S○○○」という形に変更され,S,E,Cのセダン+SLというラインアップが90年代半ばに完成しました。

その後もダイムラー社は車種展開をすすめ,SLの弟分であるSLK,Sクラスクーペ(CL)の弟分であるCLK,Cよりさらに小さいA,商用バンをベースにしたV,アメリカ市場の獲得を狙ったSUVのM,スイスの時計メーカー「スウォッチ」との合弁子会社で生産する超小型車スマート,別ブランドで販売するSクラスベースの超高級車マイバッハが新しく加わりました。以前より販売されていた軍用4駆をベースにしたG(ゲレンデヴァーゲン)もあわせると小型車から超高級車,セダンからSUVまでという「何でもあり」のメーカーに成長したというわけです。

Cクラスに話をもどすと,現行ラインアップは(4ドア)セダン,ワゴン,2ドアハッチバックの3車形で構成されています。普通の2ドアクーペも存在しますが,これにはCLKという名称がつけられ,Cクラスとは別モデルとして扱われています。2ドアハッチバックは世界中で「スポーツクーペ」と呼ばれていますが,セダンとワゴンは国によって名称が異なります。本国ドイツではセダンを「リムジン」,ワゴンを「Tモデル」と読んでいます。一方,アメリカではそれぞれ「セダン」と「ワゴン」,イギリスでは「サルーン」と「エステート」という名称がつけられています。日本では「セダン」と「ステーションワゴン」となっています。このサイトで取り扱うのはいうまでもなく日本仕様ですから,「C180K stationwagon info」あるいは「C180KSW info」とするのが正しいのでしょうが,本国での呼称に敬意を表してあえて「C180TK info」としたいと思います。ちなみに,日本でもかつてはワゴンを「T」の名で呼んでいましたし,現在でも任意保険証書にある車種欄には「C180T」と記載されます。

Cのあとに続く数字とアルファベットは基本的にエンジンの情報を示しています。本国仕様セダン/ワゴンでは以下の12モデルがあります。日本に導入されているものについては色をつけてあります。

モデル名エンジン形式排気量(cc)最高出力(ps)備考
C200 CDI直4ディーゼル2148122
C220 CDI直4ディーゼル2148143
C270 CDI直5ディーゼル2685170
C180 KOMPRESSOR直4ガソリン1796143
C200 KOMPRESSOR直4ガソリン1796163
C200 CGI直4ガソリン・直噴1796170
C240V6ガソリン2597170
C320V6ガソリン3199218
C240 4MATICV6ガソリン25971704輪駆動
C320 4MATICV6ガソリン31992184輪駆動
C30 CDI AMG直5ディーゼル2950231AMG仕様
C32 AMGV6ガソリン3199354AMG仕様

車両後部に付くエンブレムは上のとおりで,本国仕様ワゴンであってもモデル名の「T」は装着されません。エンジンに関して,CDIは直噴ディーゼル,CGIは直噴ガソリン,KOMPRESSORは過給器(主に機械式スーパーチャージャー)付を表します。ただし,KOMPRESSORと記されていなくても過給器が装着されている場合もあります。数字は基本的に排気量ですが,C200コンプレッサーが1.8リットルだったりC240が2.6リットルだったりするように,必ずしも実際の排気量を表していない場合があります。排気量が同じでモデル名が異なる場合,過給圧で出力に差をつけているようです。

あと,4MATICはフルタイム4輪駆動,AMGはそのものズバリAMG仕様であることを示します。AMGはもともと外部のチューナーでしたが,現在ではダイムラー・ベンツに買収され,各モデルの高速・高級・高額仕様としての位置づけを与えられています。

トランスミッションは本国では6速MTが基本で,5速ATおよび6速シーケンシャルMTもモデルによっては選択可能です。

内装レベルについては,標準仕様である「クラシック」,豪華仕様の「エレガンス」,スポーティな「アヴァンギャルド」の3種類が基本パッケージで,それぞれにオプションを追加することができます。「エレガンス」と「アヴァンギャルド」仕様の追加費用は同額です。AMGを除く全エンジンタイプすべてに3タイプの装備が選べるので,これだけでもバリエーションは膨大になります。日本仕様の場合,C180 KOMPRESSORのみがクラシック相当,あとのモデルはエレガンス相当の装備となります。

さて,カタログに記載されている価格を基準にワゴンモデルの「内外価格差」を比較してみました。ユーロ→円の換算レートは(A)1ユーロ=110円,(B)1ユーロ=120円,(C)1ユーロ=130円としています。これを書いている時点での銀行間相場は128円程度のようですので,(C)が一番近いことになります。C240 4MATIC(AT標準)以外のモデルには5速ATの価格,C180以外のモデルにはエレガンス仕様の価格を加え,さらにC320にはバイキセノンランプの価格を加えています。

モデル名(すべてワゴン)本国車両価格円換算額(A)円換算額(B)円換算額(C)日本仕様価格(D)(A)/(D)(B)/(D)(C)/(D)
C180 KOMPRESSOR26,500ユーロ292万円318万円345万円415万円70.2%76.6%83.0%
C200 KOMPRESSOR29,410ユーロ324万円353万円382万円475万円68.1%74.3%80.5%
C24033,300ユーロ366万円400万円433万円555万円66.0%72.0%78.0%
C32037,435ユーロ412万円449万円487万円630万円65.4%71.3%77.2%
C240 4MATIC35,010ユーロ385万円420万円455万円585万円65.8%71.7%77.8%

計算してみたところ,思ったほど価格差が大きくないというのが正直な感想です。日本仕様の設定や改造,輸入手続き,PDIそしてメルセデス・ケアといった付加価値を含めるとまあまあ妥当という感じもします。とくに,いまのように円安が進行しているとなおさらその感が強くなります。極めて大雑把な計算なのでこれ以上詳細な分析は不可能ですが,とりあえず安いモデルほど「お買い得」ということはハッキリとわかりますね。

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ダイムラー・クライスラーという会社

メルセデス・ベンツというのはドイツに本社があるダイムラー・クライスラー社(英語版サイト)が製造している自動車の名称です。トヨタやホンダのように製造事業者名と車名がほとんど同じケースもありますが,こちらは富士重工とスバルの関係と同じように事業者名と車名が一致していないケースです。社名と車名の関係はケースによって様々で,どちらの方が一般的かということは一概には決められませんが,「メルセデス・ベンツ」という会社は存在しないということはここで確認しておきたいと思います。

ただ,1998年まではメルセデス・ベンツを製造していたのはダイムラー・ベンツという事業者でした。ダイムラーとベンツはそれぞれ1886年にドイツで自動車を発明した人物で,この2人の興した会社が1926年に合併したのがダイムラー・ベンツです。一方,メルセデスというのはダイムラー社の設立に関わり,自身もダイムラー車のディーラーであったエミール・イエリネックの娘の名前です。イエリネックは自分の娘の名前を車の愛称にしたというわけですが,やがてダイムラー車全体がメルセデスという名で呼ばれるようになります。1926年の合併によって車名はダイムラー・ベンツとなりましたが,車名はメルセデス・ベンツと異なっていたのはそのためです。ダイムラー・ベンツ自体はドイツ有数のコンツェルンに成長し,多角化の結果80年代には自動車部門がメルセデス・ベンツ社として分社化されたことがありましたが,現在では再び自動車事業に経営資源を集中する戦略をとっています。航空機部門などは売却されてしまったようです。

1998年のダイムラー・ベンツとクライスラーの大型合併が世界に衝撃を与えたのは記憶に新しいところです。この年は自動車産業だけでなく,航空機産業や金融業などでも大型合併が相次いだ年でした。合併の目的はいうまでもなくいわゆる「規模の利益」の追求にあり,自動車産業でも「規模がすべて」とばかりに世界規模での再編成が繰り広げられました。この戦略が正しかったのかどうかを現時点で判断することはできませんが,合併によって少なくとも規模の面では世界有数の地位を得たのは事実です。2002年の生産台数ではGM,フォード,トヨタグループ,VWグループについで5番目の位置を確保しており,ここまでがいわゆる「400万台クラブ」(年間生産台数400万台以上)に入っています。ちなみに,何かとライバル視されることの多いBMWの年間生産台数は14位,約109万台です(データは「世界自動車工業会(OICA)」によります)。

クライスラーとの合併は「グローバル化」が進む世界経済の動きに対応するものでしたが,1926年の合併も国際環境の変化が大きく関わっています。1920年代は大量生産体制を確立したアメリカ自動車産業が世界進出を進めていた時期でした。当時のドイツ自動車産業はアメリカに比べれば脆弱であり,アメリカ資本と手を結ぶか自前で国際競争力を身につけるかのどちらかを選ばなければ生き残れなくなりました。ここで前者を選択したのがアダム・オペルで,1931年にGMの完全子会社となります。一方,後者を選択した代表がダイムラーとベンツだったというわけです。

自動車メーカーとしての歴史はダイムラー・ベンツと遜色ないにも関わらず,オペルの「ドイツ車」としての認知度が比較的薄いのは上記のような事情が関係しているわけですが,ではダイムラー・ベンツの選択が正しかったのかというと,そうとは言い切れない事情もあります。今でこそドイツは自動車交通大国として認識されていますが,20年代のドイツの交通政策は鉄道中心で自動車は相対的に冷遇されていました。この状況を改善するため,ダイムラー・ベンツをはじめとするドイツ自動車産業は勃興しつつあったナチ党との関係を深めていきます。ヒトラーが「グロッサー・メルセデス」と呼ばれた高級ベンツに乗っていたのは偶然でもなんでもなく,一種の広告としてダイムラーが提供していたものであったといわれています。ナチ党の側も自動車産業の支持を背景に,大規模公共事業としてのアウトバーン整備などを政策の重要な柱に据えて国民の支持を得るようになりました。自動車大国としての現在のドイツの地位はこのような歴史的経緯のもとに築かれているわけですが,その裡には国際競争の冷徹な論理が流れ,全体主義が生み出した多くの犠牲が伴ったことも事実です(この段落は『国際金融』第113号の記事を参考にしました)。

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